今日は東京で仕事を終えたあと、渋谷ヒカリエで北村圭介さんの写真展を見て、下の階にあるオーバカナルで仕事仲間と食事をしました。
ヒカリエには今どんな飲食店が入っているのだろうかとホームページをチェックして、オーバカナルが新しく入ったことを知り、あの黄色のロゴが懐かしくてたまらなくなり(山梨にオーバカナルはありません)、次いで、ステックフリットを思い出しました。もう、食べたくて仕方がありません。デザートは、クレープシュゼット。運転するので、お酒を飲まなくても肩身が狭くない店というのは本当に助かります。
オーバカナルに着いてメニューをひと通り見ると、「にんにくフェア」なるものが開催中でした。特別に作られた別紙のメニューには、自分では調理したことがないくらいの大量のにんにくがのったバゲットの写真が。なぜ今にんにくなんだろう?と思ったものの、興味が勝って、頼んでみました。
この、飲食店の「おすすめ枠」にあるもの、みなさんはどのくらい前のめりで頼むでしょうか。
たとえば私は、たとえフレンチトースト120%の意気込みで入店しても、お店がクロックムッシュを推していたら、後者をオーダーします。どんな盛り付けなんだろう、どんな味付けなんだろうと興味があります。
メニュー以外のちょっとした立て札とか貼り紙とか、注意書きまでも、気になって全部読みます。そのお店のことを世界で一番考えている人(中の人たち)が、いったいどんな語彙で自店のおすすめを紹介するのか、職業柄、気になるんです。謙遜気味、オラオラ系、理論重視派、感性重視派…‥いろんな塩梅があって、面白いです。
新刊『愛しい小酌』の中では、あるチェーン店で見つけた、私が大好きなパスタとワインの組み合わせについて書いています。2,3年前に本編のメニューとは別に置かれていた小さな立て札の提案(控えめでした)を見て、頼んだものでした。一時期ハマりにハマって、週に一度は食べて、友人にも勧めて、家でも作って再現を試みていました。
先日久しぶりにそのお店に行ってみたところ、あのパスタとワインの組み合わせは健在。安心しました。それからもうひとつ、以前は気が付かなかったものを見つけました。セルフサービスのお水のコーナーの上に「Acqua」というデザイン文字と涼しげなイラストが書かれたボードが貼られていたのです。
水が入ったポットとコップがたくさん並んでいますから、水のコーナーだということは明らかです。わざわざボードを貼る必要はないのですが、その一枚のボードのおかげで、水がより冷たくておいしそうに見え、歓迎されている感じがしたのでした。
*新刊『愛しい小酌』が2022年10月21日(金)に大和書房から発売になります(詳しくはこちら)。本には書けなかった裏話やエッセイなどを、【補稿】とし、発売日まで毎夜更新しています。
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